界陸

   界陸

1.世界の残骸

 ユースティアには、あらゆる世界の残骸が漂着し、大地として根付くということが珍しくない。

 通常、ユースティアにきた世界の残骸は、ユースティアの世界の法則に馴染むようにできている。

 だが、六元界であった世界はこの限りではない。

 六元界であった世界、の残骸が漂着したエリアは、それぞれの世界の法則を色濃く残しており、界陸と呼ばれている。

 また、ユースティア全体の世界の法則にも少なからずの影響を与えている。

 例えば、魔法、つまりはウルティマがなかった界陸においても、ウルティマの使用が可能になったり、似た概念をもつ人種が近いオリジンを持つようになったり、で本来交わらなかったものたちが、共存できるように世界全体でやや強引ではあるが、帳尻を合わせられる。

 


2.界陸の種類

 異暦時点でユースティア以外の六元界は全て破壊され、ユースティアに統合されている。

 元からユースティアにあった地を除けば、5つの界陸がユースティアに存在していることになる。

 


・ノルフェイン界陸

・ゲオメトリア界陸

・パンタシア界陸

・マギーア界陸

リーベルタース界陸

 


 また、それらに属さない地として、アズマという諸島がある。

ユースティアの二大勢力 VICEと英雄機関

1.侵略者のVICE、それに抗う英雄機関

 ユースティアの二大勢力と言えば、次元支配を目論むVICEとそれに抗おうとする英雄機関である。

 この二つの勢力は、全ての次元の強者たちが集い、日々、鎬を削りあっている。

 

2.VICE

 次元侵略を行い、数々の世界を破壊や支配を繰り返すVICEは、現在の次元において、最も邪悪な存在とされ、忌避されている。

 その構成はVICEの神(シルバリオスのことではあるが、世間的には知られていない)を筆頭にいくつかの派閥に分かれている。

 その中でも強大な四つの派閥の王が四天王と呼ばれている。

 異暦100年時点では、四天王は『魔』『狂』『死』『業』の四人の王であると認識されているが、『業』の派閥の王についてはすでに死去している。そのため、残りは三人であると認知されている。

(実際にはVICEの神が新たな四天王として『影』の王が選定されているが、『影』の派閥は認知されていないため、いないものとされている。)

 

3.英雄機関

 ユースティアの有力者達が、VICEの対抗するために作った対VICE機関である。

 国境どころか界陸さえ超えて、活動する英雄機関はユースティア側の勢力において、最も力を持つ存在であるといえる。

 英雄機関のトップである『次元英雄』を筆頭に各界陸ごとに『世界英雄』が存在し、国毎に『国家英雄』、街毎に『市街英雄』が配置され、VICEの侵略に備えている。

 構成員はユースティアの生まれの者が多いことはもちろん、VICEによって出身世界を滅ぼされた者たちなど、異世界出身者も多く見られる。

 また、例外的にナイツロードなど、強い力を持つ別の組織を管轄に入れている場合もある。

 

4.ナイツロード

 『絶』の派閥を滅ぼし、ユースティア全土に名を響かせたレッドリガ率いるナイツロードであるが、そのあまりにも強すぎる力をVICEと英雄機関は共に危険視した。

 英雄機関は、彼らの強さを監視し、利用するためにナイツロードを管理下に置く事に決めた。

 英雄機関の各英雄に比べ、フットワークの軽いナイツロードは様々な任務を任されている。

 また、この際にレッドリガは英雄機関から様々な特権を得ており、ナイツロードは各界陸の国家へ対し、気楽に行動をすることが可能となっている。

エフェクトとウルティマ

   精神系異能、エフェクトとウルティマ

1.本能と理性
 血肉、魂魄、存在の三つの内、魂魄に依存する異能がエフェクトとウルティマである。
 この二つの異能は、本質的には同じであり、世界によっては同一視される場合もあるが、ここでは分けて話したい。
 二つの違いを簡単に言えば、本能と理性と言いあらわせるのではないか。
 というのもエフェクトが個人の資質に完全に依存し、特定の一つの現象を起こすことしかできない(多少の拡張性はあるが、世界全ての法則を利用することはない)
 それに対し、ウルティマは魔力(暫定的に魔力と表記)を通じ、世界の法則を引用して現象を起こすというプロセスのため、世界にあるもの全てを利用することが理論的には可能である。(ここでいう全てとは、物質、精神、思想や認識など、あらゆる概念である。)
 個を世界に押し付けるのが、エフェクト。
 個を潰して世界の法則という全を利用するのがウルティマ
 概ね、そのように分ける。

 

2.世界によるエフェクト、ウルティマの違い
 多くの異能が発達した世界では、これら二つのどちらかが、もしくは両方がそれぞれの世界に沿った形で法則を形作っている。
 ユースティアのように、あらゆる世界が合併し、どのような形式でも受け付ける場、というのは稀な例である。基本的にはそれぞれの世界でそれぞれの法則がある。
 発動回数の限りや規模の限定、儀式の形式など、多岐に渡る。

3.エフェクトの特徴

 上記の内容では、エフェクトよりウルティマのほうが優れているように書かれているが、決してそういうわけでもない。

 確かにエフェクトの異能の内容は、所持者の本能の形がそのまま現れるため、限られた範囲の効力しかもたらせないが、それゆえの利点がいくつかある。

 ①発動コストの低さ

 思考を挟まない直感的な発動や操作が可能。また、身一つで条件を満たせるものが多い。

 強い想いが異能の力を強める(喜怒哀楽、恐怖でも怒りでも強い信念でも)

 

 ②異能の特異性

 似たようなエフェクトであっても、違う精神を媒介としているため、異なる性質を持っている。つまり、異能の特性について、一目ですべてを把握することはできないため、分析されにくいということ。

 例えば炎のエフェクトを持っていたとしても、燃焼の条件や火力の伸び、炎の色や形など、あらゆる点で差異が出る。

 

 ③成長性

 本能の強さ、形に比例し、異能の内容も変わる場合があり、自然に成長している場合は、その成長に十分についていくことが可能。

(精神の改造などを行い、人為的に作ったエフェクトは、歪で暴走したりも)

 

4.ウルティマの特徴

 エフェクトは本能による、自信の精神を元に世界へ異能を発現させるものである。

 それに対してウルティマは、魔力などといった共有の精神依存の物に自らの精神を変換し、世界の形に合わせ異能を発現させる。

 他人を分析し、それに適した行動を行う。いわば理性的な異能であるウルティマは、本能的で個の異能であるエフェクトに比べ、発現できる現象は膨れ上がる。

 また、上位の異能、イグジストに対しても対応しやすく、エフェクトの上位の異能であるとされている。

 ①世界にある全ての事象を再現可

 世界に存在するあらゆる概念を組み合わせて扱うことで理論的には、世界が内包するあらゆる事象を再現できる。

 が、当然規模の大きいものや、概念として浸透していないものを再現するには、コストが膨れ上がる。

 

 ②あらゆる知識、精神の安定性が必要

 緻密な術式を組む必要があるウルティマにはあらゆる知識が必須である。世界に存在する知識が多ければ、当然その分ウルティマの幅が広がる。

 また、本能的なエフェクトと違い、常に精神を平常に保ち、思考を鈍らせないように注意する必要がある。

 

ナイツロードの制服

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1.ナイツロード式汎用型戦闘制服について

 最も多くの団員が着る汎用的な戦闘制服がこれである。

 ナイツロードの装備品には、特定の知識(特に魔術関連)を持たねば危険なものもあるが、この汎用型に関してはそういうことへの配慮は特にない。

 特徴としては、物理的な面に特化している、ということだろうか。

 この汎用型には、魔術的な処理は非常に簡易的ものしか施されておらず、オリジン的なものへ特化した作りになっている。つまり、物理的に単純に頑強な作りとなっている。素材も魔術に対して、なるべく意味を持たないようなものを使う配慮がされている。

 というのも、魔術に長けていないものが、高度な魔術処理が行われた装備を着ていると、敵の魔術師に利用されるケースが見られたためだとか。

 

2.魔道装甲事件

 もう少し詳しく話すと異暦40年代のパンタシア界陸にて、魔道装甲という強化外骨格のような着用型の魔道具が開発されたとき、戦闘員の確保のために魔術適正の低いものにもこれが宛がわれた。実装直後はそれなりの成果を出したが、事件はすぐにおきた。

 その事件とは、魔道装甲の存在を感知したVICE側の魔術師による術式の書き換えが行われたことだ。魔術の適正が高いものはレジストすることができたが、そうでないものは、魔道装甲の支配権を乗っ取られ、味方同士で殺し合いをさせられたのだ。

 魔道装甲事件のような事例は滅多にないが、他にも例を挙げておくと、暖房のための温風を出す魔道具から灼熱の吐息が噴出す事例や、空気中の水分から水をとりだす魔道具でミイラがいくつかできたということも確認されている。

 魔術とは世界の数だけ、仕組みが存在しており、あらゆる世界が融合し続けるユースティアでそのすべての魔術に対抗することは、実質不可能であり、魔術の素人に高度な魔道具を持たせることは、大変危険なことである。

 そういう経緯もあり、ナイツロードの汎用型戦闘制服においては、高度な魔術処理はおこなわれていない。行うにしても、制服の状態を保つ『保護』の術式や魔術を退ける『退魔』の術式、それくらいのものだ。

 

3.着心地

 単純な着心地だが、まず、重い。

 異能者がつけることを想定しているため、軽さより頑丈さが重視されている。武器や装備をつけていない状態でも、30kgを余裕で超える。

 これに加えて追加の装甲をつけるものや、鉄の塊のような巨剣を持つものもいるため、人によっては1tを軽々超える装備を涼しい顔で持つ者もいるというのだから、恐ろしいこって。

 次に動かしやすさだが、これは重さが気にならなければ大丈夫だとか。

 アウター部分は特殊な合金の繊維が編みこまれており、しなやかながら強靭性を保っており、動きへの阻害はあまりない。

 インナーも伸縮性があり、着用者の体にあわせたつくりになるため、問題はないという。

 次に通気性は、あまりよくない。

 蒸れると評判である。特に獣人には不評。

 そういった人は、インナーを変えてみるなどして工夫しているとかいないとか。

 

4.加工

 着用者が使いやすいように技術者に頼んでの改造が許可されている。

 形状や素材、また魔術式の追加などもあるていど可能である。

 ただ、魔術周りに関しては適正試験を通過する必要がある。とはいっても、魔術師用の制服があるので、ほとんどはそちらを使うのだが。

 

 

オリジン

 物質的異能『オリジン』

1.オリジンとは
 端的に言えば、生物が持つ物質(要するに血肉のこと)が、他の物質に影響を与える能力、ということになる。
 例えば、生物の形質、道具の作成および使用する技術、武術による身体動作の効率化など、物理法則に則って起こり得る全てが『オリジン』に当てはまる。

2.先天性オリジン
 生物は種族ごとに様々な形質を持つ者がいる。毛が生えた哺乳類や鱗やヒレを持つ魚類、翼を持つ鳥類、枝葉がある樹木など、その特徴は多岐に渡る。
 これらの特徴は、生物が適者生存の理の中で残してきたものである。
 そういった進化の過程で得られ、生まれながらにして持ちえる生物の特徴を『先天性オリジン』という。

3.後天性オリジン
 生物は生きていくうえで、少なからず効率化を行う。
 特に人間はその最たる者で、物理法則を巧みに組み合わせ、目的の結果を導きだす様々な技術を発展させてきた。
 そういった知識の蓄積で、体得できるものを後天性オリジンという。

4.オリジンの区別
 上記で先天性と後天性のものがあると述べたが、末期のユースティアでは、この区別の仕方は難しくなっている。
 科学の進歩により、後天的に種族毎の形質を組み込むことが可能であるため、先天性、後天性というのはあまり使われなくなってきている。
 また、エフェクトやウルティマなどの物理法則を超越した異能との関係上、単にオリジンであるとすることも難しくなってきている。
 であるため、現在のユースティアでは、肉体のみでも可能な能力のことをオリジンとすることとなっている。逆に肉体のみで可能ではない能力は、エフェクトやウルティマなどの区分になってくる。

世界と界層

 

1.様々な世界達
 【幻獣次元】には様々な世界が存在している。大きな世界や小さな世界、魔導の世界、機巧の世界、大海の世界や、天空の世界などだ。
 全ての中心点であり、次元の調和をとる【幻獣世界】と【六元界】。【六元界】から派生していく【下界】。
 これらは樹木が枝を分けるように分岐していく。
 また、分岐した世界は、上位の世界を原型として作られた劣化コピーのようなもので、似通った性質を持つ。

2.界層
 世界の位を分ける基準として【界層】という基準がある。
 世界に住まう存在の状態により、【第一層】【第二層】【第三層】【深層】の四つに区別される。

【第一層】
 物質的な世界で魔法や超能力などの超自然的な能力が存在しない世界。

【第二層】
 魂の力による異能の力が発現した世界。魔法や超能力など精神力による物質干渉が見られる。

【第三層】
 存在の力が発達し、世界の法則を超えるモノが発現された世界。
 世界を構成する因子である【ソムニウム】や【イグスティウム】への直接的な干渉が行われる。
 【六元界】や【ソムニウム】が増した【下界】がこれにあたる。

【深層】
 全ての世界の中心に存在し、次元の核として機能する世界。
 【幻獣世界】や末期の【ユースティア】がこれにあたる。

3.時の流れ
 強い因果を持つ世界ほど、時間の流れ(とここでは定義しておく)?は緩やかに進み、その逆の因果が弱い世界は早く進む。
 下位の世界が上位の世界の因果に追いつくためだとされているが、定かではない。
 【深層】を1とすると、【第三層】は100、【第二層】は10000で、【第一層】は1000000程度の差が出るとされる。

 

異能

   異能力

1.生物のあらゆる能力
 生物は因果を調整するために、生と死を繰り返すことが世界により、仕組まれている。
 しかし、度重なる生と死の積み重ねにより、生物は死に抗おうとする性質を持ち始めた。
 生存に適する様々な能力の獲得により、種や個体レベルでの生存率は、次元全体で増加する傾向にある。
 生物が命を繋げるための変化、いわば進化というものである。
 本来、世界に規定されていなかったそれらの進化した能力のことを、【異能力】と呼び、それらは大きく五つに分けることができる。

2.五つの異能
 世界には、いくつかの位階があり、その位階に当てはまる様々な種族が住んでいる。

物質の異能【オリジン】
 最も原始的な異能であり、全てのベースとなり得る。

魂魄の異能【エフェクト】
 個体の精神力を糧に、その心の有り様を現実化する異能。

真理の異能【ウルティマ
 世界の理を利用し、世界に起こり得る現象を再現する異能。

存在の異能【イグジスト
 世界の理から逸脱した存在が、世界にはない、個体独自の法則を当てはめる異能。

創世の異能【アルケー
 世界の創世も破壊も意のままに行うことができる究極の異能。