龍空世界オルテラ

 龍空世界オルテラ

1.龍と獣と人の世界

 龍神オルテラにより、創造された無限に広がる大海原の上に、空飛ぶ大陸がいくつもあり、それを支配する龍による世界である。

 最高位の存在価値である龍、龍のなりそこないとされる獣、それらの下にある人の三種が主な世界の住人である。

 人は龍の加護を受け、獣を使役し、空飛ぶ大陸を行き来し、それぞれが仕える龍の旗印の元、長く争いを続けていた。

 


2.四龍大

 空に浮く四つの大陸それぞれに、四体の龍神とそれに連なる四つの国が繁栄している。周囲には小さな島が散らばるように浮いており、大陸の周囲で動いている。

 各大陸の上空には大龍晶と呼ばれる四龍の力を蓄えた巨大な水晶が浮いており、大陸や島々の浮力の源になっている。

 


3.種族

【龍】リュドラ

 オルテラにおいて、最高位の種族である龍は強力な龍法(ウルティマの一種)を扱え、あらゆる力の象徴として君臨している。

 龍は大まかに二種に分けられる。四龍とそれに連なる真なる龍達は真龍種シン・リュドラと呼ばれ、真龍が獣と交わり、やや低俗な存在となった亜龍種ギ・リュドラが存在する。

 龍はこの世界において、あらゆる生命体の

上位種であり、あらゆる生命体の長所を兼ね備える存在である。そのため、外見は複数の生物の特徴を複合した姿となっている。

 


【獣】ドスト

 知性はなく、荒々しい野生の本能のみで生きる者たち。オルテラでは品性がなく、下等な存在であるというレッテルが貼られている。

 おおよその所は他の世界と共通する動物の姿をしており、一部のドストは獣法(エフェクトの一種)による、身体強化を可能とする。

 


【人】二ヒュー

 知性を持ち、文化を形成しオルテラに多く繁栄する人間達。

 四つの大陸にそれぞれ分布しており、四体の龍の名の下に四つの国が成り立っている。

 空に浮かぶ大陸を繋ぐため、彼らは飛行する為の技術を多く持つ。

 また、彼らの一部には、龍や獣の血を宿す龍人や獣人と呼ばれる者が存在する。龍人は崇められる傾向があるが、獣人は迫害される傾向が強い。

 


4.崩壊するオルテラ

 六元界において、はじめに破滅の運命を辿ったのがオルテラである。

 その最たる理由としては、次元喰らいの核たる部分がオルテラに存在していたためである。

 創世因子が集まり、壊世因子の活性化が起きたため、次元喰らいが目覚めてオルテラを破壊し尽くした。

 その後、次元喰らいによって壊されたオルテラの一部である、四龍大陸の一つがユースティアの界陸ノルフェインとなった。

 オルテラ時代より生きる者も未だユースティアに存在している。

魔の派閥

 魔の派閥

1.成り立ち

 VICE設立以前から世界侵略を行うハオウの軍団が元になっている。

 ハオウは覇者の一族と呼ばれる魔族の生まれの一人であり、下克上を繰り返しながら一族の王となった。

 王となったハオウにより、勢いを増した覇者の一族だったが、ある世界侵略中にシルバリオス率いるVICEに敗北する。

 そして、一族もろとも、ハオウ達はVICEの軍門に下ることになった。

 


2.構成員

 あらゆる出自の者が雑多に集い、VICEでも最大規模の派閥と化している。

 侵略を受けた世界の住人が多く、圧倒的な武力の影響により、派閥に加入した者が大半を占める。

 力こそ全て、という原始的な掟の元、構成員達は支配を受けている。

 


3.ユースティアでの活動

 異暦67年にハオウ自らリーベルタースの北部を英雄機関の本拠地ごと破壊する。

 その後、復興途中のノルフェインを再び占拠し、ユースティアでの主な活動拠点とする。

 また、あらゆる界陸に同時に侵攻するほどの莫大な戦力を保有するため、ほぼ全ての地域に魔の派閥は侵攻を進めている。

 現在のユースティアでVICEといえば魔の派閥であるという印象が強いのもこのためである。

 


4.十二魔将

 ハオウの元に集う、魔族のエリート達である十二魔将は戦闘のプロフェッショナルが揃っている。

 自らの個体の戦闘力だけではなく、指揮官として配下を動かす手腕も高い。

 力を持ち、侵略行為を行う者ならば、ハオウは精神性や出自、忠誠心問わずに魔将へと任命する。

 現在、十二魔将のほとんどはユースティアへ集っており、各界陸へ散って侵攻を続けている。

アビス

 アビス

 


1.ユースティアに存在する巨大空洞

 現在のユースティアはかつての六元界の残骸で出来上がっており、その形質は歪そのものである。

 その最たるものとして、存在するのが巨大な空洞【アビス】である。

 広大な海洋にポッカリと空いたその穴は、どういったものなのか、どのようにできたのか、ユースティアに住む人々には知る由もない。

 また、英雄戦争以後、各地で小規模のアビスのようなものも出現しており、世界に混乱を招いている。

 流れている話も眉唾ものであり、真実は定かではない。

 


2.最果ての島アズマ

 謎の多いアビスであるが、その核心に迫る者たちもいると言われる。

 かつてのユースティアの神や、太古から生きる龍、そしてアビスの淵にポツリと位置する島国アズマがある。

 ユースティアが現在の界陸の形を取る以前から、残り続けた島であるアズマはアビスと密接に関わり続けているとする。

 英雄機関はVICEの狙いの一つにこのアビスの存在があるのではないかと推測しており、アズマと協力して研究を続けている。

 


3.世界喰らい

 英雄戦争以後、あらゆるものを破壊することしか意識のない異形の怪物が各地で出現するようになった。

 世界のあらゆるものを喰らい尽くすその怪物を界喰者と呼称するようになった。

 それらは、各地にできた小型のアビスから出現し、ユースティアで無差別な破壊行動を繰り返している。

 一部の組織は界喰者を利用するために、研究しているが、その成果は芳しくない。

 その正体はイグスティウムのみで構成された破壊の化身であり、次元喰らいの眷属である。

 ユースティアの歪な世界構造が生み出した歪みの産物である。

刃の派閥

1.成り立ち

 狂の派閥に所属していた剣豪オルダ・ゼルヴェイドが新たに立ち上げた派閥。

 あらゆる剣を生み出すオルダは、剣を交わらす強さのみを求めており、派閥は彼の意志に従う者で構成されている。

 オルダ自身は七劔を賜ることはなかったため、ラグナロクによる精神支配も弱く、己が信ずる正しい意志を作り上げることができていた。ちなみに狂の派閥から派生する派閥が生まれることは非常に稀な事例である。

 オルダの出身世界、剣魔世界ディドアースを滅ぼすことを条件とされたオルダは、無事に(?)世界を滅ぼして、ラグナロクに認められた。

 

2.構成員

 その多くはオルダを慕って集まった純粋に刃に懸ける誇りを持った剣士が多い。戦闘手段は常に己の刃を用い、真っ向勝負のみを好む。

 狂の派閥から移籍したものや、ディドアース出身者、オルダの刃に敗北した者などから構成されており、人数はあまり多くはない。

 各構成員は刃の魔王であるオルダが創造した魔剣を賜り、戦闘力を上げている。(所持はしているがあえて使わない者もいる)

 

3.ユースティアでの活動

 異暦72年の狂の派閥襲来と共にユースティアに降り立つ。

 初期は主にパンタシア北部での活動を行っており、ルバータ王国などに侵略の手を伸ばしていた。

狂の派閥

 狂の派閥

 


1.成り立ち

 派閥の王ラグナロクは元々、六元界の一つのイグトラシアの主神として世界を管理していた。

 平穏を保っていたイグトラシアだったが、シルバリオス率いるVICEの侵攻により、世界は崩壊する。

 それと同時に、シルバリオスラグナロクの存在を堕とし、在り方を歪めた。

 元々、強力な力を持っていたラグナロクはイグトラシアの七つの地を元にした剣【七劔】を携えてVICEに加入することになった。

 

 


2.七劔

 火が吹き、大地はマグマのように煮えたぎる紅炎の地から生まれた紅焔劔レヴァンテイン。

 全てが水に埋もれ、島々は全て氷塊である蒼瀑の地から生まれた蒼瀑劔スヴェル。

 あらゆる植生が育まれる緑に包まれた翠萌の地から生まれた翠萌劔ミストルティン。

 稲妻が走り続け、雷雲に覆われた琥靂の地から生まれた琥靂劔ミョルニル

 万物が光に包まれ、全てが純白に染まった皓天の地から生まれた皓天劔グラム。

 一切の光もない、何も色を見せることのない黝堕の地から生まれた黝堕劔ティルヴィング。

 望む者により形を変える橆貌の地から生まれた橆貌劔ユグドラシル

 


 イグトラシアの七つの地を元に作られた七つの剣を七劔と呼び、同時にそれらを所有する者も七劔と呼ばれ、それぞれの劔の名を冠することとなる。

 七劔の所有者はラグナロク自身が選定し、任命される。

 


 それぞれが世界の一部を内包しており、その能力は一般的な魔剣を遥かに凌駕する。正に神剣と呼ばれる力を誇る。

 ラグナロクによって歪められながら劔と化した七劔は、所有者の精神に絡みつきその形を歪な形で完成させてしまう。

 世界の終末によって生まれたその劔たちは、所有者の周りに終焉を呼び寄せ、世界を崩壊させる様々な形の因果を呼び寄せる。

 


3.構成員

 七劔を保有する者達は、それぞれが騎士団を保有しており、様々な世界に終末をもたらす。

 騎士団はラグナロクにより、世界破壊の命令を受けた七劔達は、各々の騎士団を率いて破壊活動を行うことになる。

 紅焔騎士団、蒼瀑騎士団、と言った風に七劔の名から騎士団の名前が取られている。

 魔の派閥や死の派閥と比べて、構成員の数は少ないが、その分統率力や戦闘力は高い。現在では、VICE随一の少数精鋭派閥と言える。

 所属する者は、各騎士団によって個性は変わるが、大抵は自らの意志でVICEに与しており、組織への帰属意識も高い。(将来の気質的なものから、七劔による洗脳のようなものもある)

 

死の派閥

 死の派閥

 


1.成り立ち

 シルバリオスによる大規模魔術が意思を持ち、存在として確立したアルハザードを王とする派閥。

 死を与える魔術から生まれたアルハザードは【死】という概念に深く興味を持っており、生物に対して様々な研究を行い、自らの好奇心を満たし始めたのが、死の派閥の成立のキッカケである。

 シルバリオスの元で、様々な生き物を改造して行く間に、被験者は膨れ上がり、派閥を有するほどになった。

 


2.構成員

 その多くは倫理を厭わない研究者と、それらに改造を施された被験者に二分される。

 もっぱら戦闘員として利用されるのは改造された者たちではあるが、主軸を担っているのは研究者達側である。

 研究者達の多くは、社会からはみ出すような危険な思想の持ち主であり、生命をなんとも思わない、無慈悲な実験を行うものばかりである。協調性は薄く、皆それぞれの好奇心を満たすための自由な研究をしているといえる。

 被験者は様々な経緯を持って、死の派閥に所属している。力を求めて研究対象へ志願する者や希少な特性を持つ者が強制的に連れてこられ、渋々所属をしているもの、研究によって生まれたものなど、多岐に渡る。

 少なくとも、一般的な家庭で生まれた人間の感性では追いつけないものがあることは確かである。

 


3.ユースティアでの活動

 異暦29年にユースティアに訪れる。以降、水面下で活動し、各国家の内部へ秘密裏に接触を図り、倫理的な価値観の崩壊を導く。

 非人道的な実験がユースティア各所で行われる様になった一因となっている。

 目立った侵略は行なっていなかったが、異暦67年に魔の派閥が、ユースティアに訪れてからは表立って活動し始める。そのため、世間的には魔の派閥と共に訪れた、のではないかとされるのが一般的である。(英雄機関はそれ以前から活動を行っていたと認識している)

 


4.十三死徒

 アルハザードが直接に手をかけて作り上げた十三個の作品を十三死徒と呼称する。

 ○死という称号がつけられ、いずれの作品も悪辣な性質を兼ね備えている。

 関わる者に対する生理的な嫌悪は抜群で、戦闘力も高い。

絶の派閥討滅

   絶の派閥討滅

 


1.レヴィアタン

 ナイツロードは異暦80年の発足の三年後、つまり異暦83年に絶の派閥を滅ぼし、彼らが所有していた海上移動要塞を乗っ取り、現在の本拠地としている。

 【レヴィアタン】という名を新たに付けられたその施設は異暦85年に改修を終えて、本格的にナイツロードの本部として利用されるようになった。

 


2.絶の派閥

 魔の派閥の下位派閥であり、機械のテクノロジーに特化した機械生命体を主とする派閥である。

 派閥の王はアブソリューター。合理を追求し、無駄を嫌う性格。

 界陸間を渡り歩き、各地の派閥への支援や、海底資源の占有、ゲリラ的な攻撃に英雄機関は彼らを問題視していたが、中々手を出せずにいた。

 そこで絶の派閥に目をつけたのがナイツロードであり、団長レッドリガは彼らの殲滅と基地の略奪を目論む。

 

3.絶の派閥討滅

 団長レッドリガは絶の派閥を滅ぼすために、独自の情報網で手に入れた情報を元にして対策を施し、徹底的に叩き潰した。

 団長自らが絶の派閥の王と戦い、少数の精鋭達を引き連れて蹂躙した。

 幹部級の人物を失った絶の派閥は混乱し、もはや烏合の集となったという。

 


4.滅びた絶の派閥

 主に派閥の幹部クラス以上を失った絶の派閥の所属者は、ある者は野に下り、ある者は他の派閥に移り、ある者はナイツロードに入った。

 元VICEを仲間に引き入れることに、英雄機関から批判も出たが、絶の派閥討滅という絶大な成果を挙げているため、その意見は強くは残らなかった。

 


5.英雄機関とナイツロード

 絶の派閥討滅により、ナイツロードは世界中に知れ渡るようになった。それと同時に英雄機関からの監視も入るようになり、より注目を集めた。