エフェクトとウルティマ

   精神系異能、エフェクトとウルティマ

1.本能と理性
 血肉、魂魄、存在の三つの内、魂魄に依存する異能がエフェクトとウルティマである。
 この二つの異能は、本質的には同じであり、世界によっては同一視される場合もあるが、ここでは分けて話したい。
 二つの違いを簡単に言えば、本能と理性と言いあらわせるのではないか。
 というのもエフェクトが個人の資質に完全に依存し、特定の一つの現象を起こすことしかできない(多少の拡張性はあるが、世界全ての法則を利用することはない)
 それに対し、ウルティマは魔力(暫定的に魔力と表記)を通じ、世界の法則を引用して現象を起こすというプロセスのため、世界にあるもの全てを利用することが理論的には可能である。(ここでいう全てとは、物質、精神、思想や認識など、あらゆる概念である。)
 個を世界に押し付けるのが、エフェクト。
 個を潰して世界の法則という全を利用するのがウルティマ
 概ね、そのように分ける。

 

2.世界によるエフェクト、ウルティマの違い
 多くの異能が発達した世界では、これら二つのどちらかが、もしくは両方がそれぞれの世界に沿った形で法則を形作っている。
 ユースティアのように、あらゆる世界が合併し、どのような形式でも受け付ける場、というのは稀な例である。基本的にはそれぞれの世界でそれぞれの法則がある。
 発動回数の限りや規模の限定、儀式の形式など、多岐に渡る。

3.エフェクトの特徴

 上記の内容では、エフェクトよりウルティマのほうが優れているように書かれているが、決してそういうわけでもない。

 確かにエフェクトの異能の内容は、所持者の本能の形がそのまま現れるため、限られた範囲の効力しかもたらせないが、それゆえの利点がいくつかある。

 ①発動コストの低さ

 思考を挟まない直感的な発動や操作が可能。また、身一つで条件を満たせるものが多い。

 強い想いが異能の力を強める(喜怒哀楽、恐怖でも怒りでも強い信念でも)

 

 ②異能の特異性

 似たようなエフェクトであっても、違う精神を媒介としているため、異なる性質を持っている。つまり、異能の特性について、一目ですべてを把握することはできないため、分析されにくいということ。

 例えば炎のエフェクトを持っていたとしても、燃焼の条件や火力の伸び、炎の色や形など、あらゆる点で差異が出る。

 

 ③成長性

 本能の強さ、形に比例し、異能の内容も変わる場合があり、自然に成長している場合は、その成長に十分についていくことが可能。

(精神の改造などを行い、人為的に作ったエフェクトは、歪で暴走したりも)

 

4.ウルティマの特徴

 エフェクトは本能による、自信の精神を元に世界へ異能を発現させるものである。

 それに対してウルティマは、魔力などといった共有の精神依存の物に自らの精神を変換し、世界の形に合わせ異能を発現させる。

 他人を分析し、それに適した行動を行う。いわば理性的な異能であるウルティマは、本能的で個の異能であるエフェクトに比べ、発現できる現象は膨れ上がる。

 また、上位の異能、イグジストに対しても対応しやすく、エフェクトの上位の異能であるとされている。

 ①世界にある全ての事象を再現可

 世界に存在するあらゆる概念を組み合わせて扱うことで理論的には、世界が内包するあらゆる事象を再現できる。

 が、当然規模の大きいものや、概念として浸透していないものを再現するには、コストが膨れ上がる。

 

 ②あらゆる知識、精神の安定性が必要

 緻密な術式を組む必要があるウルティマにはあらゆる知識が必須である。世界に存在する知識が多ければ、当然その分ウルティマの幅が広がる。

 また、本能的なエフェクトと違い、常に精神を平常に保ち、思考を鈍らせないように注意する必要がある。