うまそうす世界観

 『始まりの次元』

 この次元が存在し始めた時、世界は存在しなかった。
 創造主は孤独であった。
 孤独を紛らわすために、創造主は自らを砕いた欠片『フラグメント』で世界を創った。
 無数の世界が生まれ、無数の存在が生まれた。
 創造主は自らの核を小さな隔絶された箱庭へ埋めた。
 そして、永遠に続く眠りに落ちていった。

 小さな世界は育ち、壊れて他の世界と混ざり合い、大きな世界へ生まれ変わった。
 血肉に縛られていた者達は、欠片が大きくなるにつれ、自己の存在を高めていった。
 無限をも思わせる破壊と再生を退け、存在し続ける者たち。
 彼らは望む望まずに関わらず、創造主の欠片を束ねていく。

 次元支配を目論む悪食の民。
 箱庭の眠りを砕き取り込み、次に目をつけたのは、
 数多の世界線を取り込み、膨張に次ぐ膨張を繰り返す。
 次元の全てを知り、世界を喰らう世界。
 破滅を知らず、欠片を取り込み続ける世界。
 次元の行方を決める欠片達の終着点。
 それが、複合世界ユースティア。

(要約)
・次元に一人で創造主がいました。
・さみしいので自分を砕いた欠片で小さな世界をいっぱい創りました。
・原初のフラグメントを次元の狭間の世界ニルベステニアに埋めて眠りました。
・小さな世界が成長して壊れて、また新しい世界が生まれて、というサイクルをたくさん続けました。
・破壊と再生を繰り返すうちにフラグメントがまとまり、世界は強くなりました。
・第三界梯者以上の者が増え、滅びを知らない者も出てきました。
・次元支配をもくろむヴァイスは勝手に世界の破壊や支配、統合を促進させました。
・フラグメントを求めるヴァイスは、原初のフラグメントを求めてニルベステニアを滅ぼしました。
・大きなフラグメント(次元喰らい)を求め、ヴァイスはユースティアにやってきました。


『世界たち』
 次元に存在する世界たち。フラグメントの絶対量が増えるほど格が上がっていく。
 ほぼ全ての世界は破壊と再生を繰り返し、穏やかに生命を育んでいくはずだった。
 だが、次元外存在(デルタ)が現れ、そのバランスが崩れてしまう。
 世界は世界を引き付け、食い合うようになった。
 そして、フラグメントは少しずつ、大きくなっていく。
 第一、第二、第三、終焉の四段階の世界がある。
 分類は界梯者の存在によって分けられる。


『幻獣界ニルベステニア』終焉
 原初のフラグメントが眠る世界。その影響か世界の格は高い。
 最低でも第二界梯者以上の世界は類を見ない。
 次元の外側にあり、時の流れが不安定である。


『複合世界ユースティア』終焉
 次元において最も巨大で、滅びを知らずに他の世界を取り込み続けた世界。
 全ての世界を喰らおうとし、次元喰らいが世界を取り込み続けている。


『複合世界ユースティアに在る種族』
 この次元の種族は、『肉体』『魂魄』『概念』の三つの物から成立する。
 肉の上に魂があり、その二つの上に存在がある。
 肉に依存するほど、低位な種族である。
 概念に依存するほど、高位な種族である。

(創造主の欠片=フラグメントを多く取り込んだ者ほど、高位な種族となる)
(その多くが人型であるのは、創造主が人型であったからである)

 

・神族(デウソイド)終焉界梯者
  創造主と同種の力を得た者。血肉、魂を保有せずとも問題がない。
  万物を支配する力「オムニア」を扱える。
  神種
・天族(トランソイド)第三界梯者
  超越存在。血肉、魂に縛られない。概念を根源とする。
  自らの存在を核とした異能力「イグジスト」を扱える。
  超種
・魔族(デモニロイド)第二界梯者

 魂に依る者。
 肉体の破壊≠魂の破壊であり、魂の破壊=肉体の破壊につながる。
 肉体の依存度が低く、魂魄を用いた異能への適正が高い。

「霊人種」
「晶人種」
「妖人種」


・地族(アースロイド)第一界梯者

 血肉に縛られる者。
 肉体に生命を依存しており、肉体の破壊=魂の破壊となる。
 魂魄を元とした異能も扱うことができるが、第二界梯種には劣る。

無人種」
 次元に存在する人類において、もっとも基本となる人種。
 全てが平均的だが、繁殖力が高いため数は最も多い。
 どこにも特化していない分、本人の資質と努力次第で才能を開花させることも。

 外見的な特徴は特にない。

「獣人種」
 獣の特徴を持つ人類。
 ベースとなった獣の能力を兼ね備えている。
 理性より本能が強い傾向があるため、論理的な思考力が低い傾向にある。
 そのため、他の人類と比べて文明の発展がしにくい。

 外見的な特徴は獣の要素を持っていること。
 全身が毛で覆われているタイプや、局所的な部位のみが獣となっているものがいる。

 犬人、猫人、燕人、鷲人など

「鱗人種」
 体に鱗を生やす人類。
 水陸両用の者が多く、その多くは卵生である。
 多産多死が当たり前のため、倫理観の違いで度々問題となる。
 
 外見的な特徴は鱗に覆われているものが多い。
 また、種類によってはエラやヒレがあるものも。

 亀人、蜥蜴人、蛇人、鮫人など

とれっく


 瓦礫に血のペンキがぶちまけられた。
 血を吹く首無しの人間はユラユラと不規則に揺れた後に、糸の切れた人形のように崩れた。
 死んだのだ。
 獣の耳と尾を生やした少年は身の丈ほどもある刀から血を払い、死体の様子を見る。
 その筋骨隆隆たる肉体には生々しい傷跡がいくつも残り、こいつの生前が歴戦の戦士であったことをうかがわせる。
 だが、死んだ。戦場に立って一年も経たぬ若造の剣で呆気なく、一太刀で殺された。
 軽く緊張を解くために息を吐き出し周囲を見渡す。
 残党はもういないはずだ。
 鼻を通るの血液の鉄臭さだけであり、耳に響くのも羽虫の羽音くらいのもの。
 戦いの高揚でドクドクと脈打つ心臓を抑え、俺は指定されている合流地点へ向かう。
 道中も藪が体をくすぐり、羽虫が耳の中に入る以外は何事もなく、無事に合流地点へたどり着く。
 合流地点では既に各々の役割を終えた部隊の仲間達が待機していた。
「トレックか」
 仲間の一人が少年に気づく。
 魔力を秘めた右眼を持つ魔術師のマルチナだ。
 彼女は普段通りの態度で妖しく光る瞳で無機質に少年を見た。
「終わったか」
「ああ、大したことなかったぜ。見た目だけだ」
 少年こと、獣人族のトレック・アットルースの軽口にも乗らず、彼女は任務を果たしたことだけを確認すると、すぐに踵を返し装備の確認に戻った。
 トレックは無愛想な彼女をどうにも好きにはなれなかった。
 蒸れた手袋を脱ぎ、鼻をかく。汗の臭いが彼の鼻をついた。
「班長」
 彼以外の班員も戻っていたようで、マルチナは全員の顔を一瞥した後に、班長のザックに合図を送った。
「よし。……こちら六班、目標を達成した。これより帰還する」
 大きな波も起こることもなく、今回の彼等の任務は終わった。

 


 食に頓着が無い者が使う安く、早い、けれども不味いこともない食堂でトレックは不満を覚えていた。
 昼の賑やかな食堂の中で不満気に指を卓上で打ち続ける姿に、近くを通る客は目を細めたが彼を咎めたりする者はいなかった。同じ席に座る一人の獣人の少年を除いて。
「どうしたっていうんだよ。そんなイライラして」
 トレックの正面に座るバルタウは宥めるように話しかけた。
「見ればわかんだろ? 不機嫌がここに極まってんだよ」
 バルタウのことも気にかけず、トレックは牙を剥き、唸りながら悪感情を吐く。
 バルタウとしては、何度目かあったことなので慣れたものではあるが、勘弁してほしいものだった。
 呆れながらもバルタウは友人に理由を尋ねることにした。
 トレックという男は良くも悪くも単純な男である。問題がわかり、やることができれば解決すると、この一年ほどの付き合いでバルタウも気付いていたからだ。
「何に怒ってるの?」
「あの捻くれ女のことに決まってんだろ!」
 当たり前だと言わんばかりに卓上を殴り、バルタウの顔にツバを散らした。
 木製の机が悲鳴をあげる。
「何で?」
「真面目にやってねえからだよ。手抜きでやってりゃいつか絶対死ぬね!」
 内心うんざりしながら不機嫌なトレックの相手をするラグーはまたそれかと心の中で呟く。
「別にいいんじゃない? 仕事はこなせてるし、ヘマすることもないし」
「だけどさあ!」
 不満気に息を荒立てるトレックに対し、バルタウはいつも通りふんわりと話題を逸らすことにした。
「命令無視して一人突撃してたトレックよりはマシ」
「うっ……。いや、そうだけど」
 痛いところを突かれ、しばらく沈黙とトレックにとって気まずい空気が続いた。
「……」
「まあ、どっちが周りから見たらマシかって考えると、……ねえ?」
「だああ! 考えてたってしょうがねえ! 俺が悪かった! 訓練行くぞ!」
 癖っ毛だらけの白髪をくしゃくしゃにして、勢いのまま言い捨てたトレックはそのまま席を立ち、食堂の出入り口へそそくさと歩き出した。
「ちょっと待ってよ! ……待つわけないか。おーい、せめて自分の皿ぐらい自分で下げてよー。はぁ」
 やれやれとため息をつき、トレックの分の食器も片付ける。
 トレックとバルタウはこの一年で任務外でもよくつるむようになった。年若い二人にとっては同年代の友人、同じ獣族の血を持つものは貴重なものだ。何度か同じ班で仕事する内に、馴染みやすい間柄にいつの間にかなっていた。
 そのため、トレックの突発的で直情的な行動に彼も慣れており、度々彼の後始末をするのもバルタウの分担であった。任務でも任務外でもだ。
「都合悪い話が出てきて誤魔化すのはいいけど、誤魔化し方が下手くそすぎじゃない?」
「うっせ」
 追いついて嫌味の続きをするが、口を尖らせたトレックは取り合おうとせず、せかせかと早足で歩く。
 このまま同じ話題を続けてもきりが無い。
「最近は誰と修行してるの?」
 故に他の話題へと移った。単純な彼なら別の気になることがあれば、すぐに興味を移すからだ。
「あ? あー……。確か、ミューレイド、だったっけ?」
「いや、僕に聞かれてもね……」
「ああ、なんちゃらミューレイドだったっけな。細っこい剣使ってる女だ」
「仮にも一緒に修行してる相手なんだったら、名前くらい覚えてあげようよ」
「努力はしてる」
 事実、彼なりには努力している方だろう。殴り合い斬り合い以外になると、頭が回らないほどの脳筋だ。その彼が一部でも名前を覚えていることにバルタウは驚く。
「そのミューレイドさんとはいつ知り合ったの?」
「剣振ってたから喧嘩ふっかけたんだよ」
「相変わらず適当だね」
「まあな!」
 トレックはハタハタと尾を振り、無根拠に胸を張る。
「程々にしなよ?」
「してるしてる」
「ホントに?」
「お前のそういうところ面倒だと思う」
「……」
 キッパリと言われそれ以上咎めることをやめる。すぐ細かいところをつついてしまう癖があるようだ。
 先程とは逆にバルタウが口をへの字に曲げて黙ってしまう。
 その後もあの部隊の人間は嫌味なやつだとか、訓練相手が増えたとかのいつも通りの大したことのない話を続けた。
 気付けば二人は訓練場へと辿り着いていた。

 

 

 

続かない。

 

 

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ユースティア国家

パンタシア

・ガルドーラ
 パンタシア最大の魔道国家。

・ベオズ
 非人道的な実験が行われる。
 国の上層部は『死』の派閥をつながりがある。

・ルバータ
 魔剣の製造に特化していた国。
 異暦91年に滅びる。


マギーア

・チャーナ
 資源が豊かで国土が広く、人口が多い。中華風。

・ラグライア
 貴族制が色濃く残った国。
 身分の差が顕著に見られる。

・ズッズベダ地方
 マギーアに存在する原住民が集まる地方。
 小国が多く存在する。

・マクメメー
 獣人中心の国。他国に対し、傭兵紛いの仕事をしている。


ゲオメトリア

・ダストリアス
 ゲオメトリア最大の国家。法整備も進み、近代的。

・ボレギー
 人体改造が流行している。人間の改造技術が非常に高い。

・スクラプズ地帯
 廃棄物やミュータント、失敗作が捨てられた不毛の地。


リーベルタース
 様々な文化が入り乱れる大国。

アズマ
 奈落に隣接した国。独自の文化を持ち、独特な能力を持つ。
奈落
 世界の果てとも言われる。ユースティアの大海にある巨大な穴。落ちたものは帰ってくることはない。

えぱにま1

プロットみたいなもんだすたぶん

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